私的"H"ゲームアワード2002
「2002 年もいろいろありましたとさ」


作品部門
☆最優秀作品賞☆
うたわれるもの(Leaf)
○優秀作品賞○
Talk to Talk(Clear)
流星天使プリマヴェール V(エスクード)
超昂天使 エスカレイヤー(アリスソフト)

 うたわれるものは、一直線シナリオながら 20 時間飽きさせず、かつ戦闘パートがシナリオ進行の妨げにならない程度に上手く配置されていたことが高く評価できる。声がない分、やや地味に思われがちだけど高いトータルバランスを誇っていると思う。それなりに多い登場人物が、各々イイキャラクターをしていたのも良い。エロゲではおざなりになりがちな、男キャラもよく描けていたと思う。
 Talk to Talk は作品全体に一貫した雰囲気に、プリマヴェール V は「エロ+ゲーム」ではなく「ゲームの必然としてエロがある」という部分に、エスカレイヤーは一点突破型には敵わないけど、陵辱純愛がそれなりにイイバランスで詰められていたのを評価したいのです。


主演女優部門
☆最優秀主演女優賞☆
瓜生樹里(Talk to Talk)
○優秀作品賞○
エルルゥ(うたわれるもの)
セラクルカ(Sultan)
市村貴理(僕と、僕らの夏)
雪村小町(それは舞い散る桜のように)

 毎年一番悩むんですが、今年も激戦でした。その激戦の結果、樹里先輩が俺的マイナスポイントである「内巻きキャラ」というハンデを覆して堂々の最優秀。ポイントは主人公が天然ボケの場合、多いにヒロインの照れっぷりが堪能できたこと。そして、作られるまったり空間。さらに言えば、声優さんの好演。なにげない一言の破壊力が違いました。「バカ」とか「いやだよぅ」とか(笑)
 エルルゥはハーレム状態の中、正ヒロインとして十二分な「ヤキモチ焼き」っぷりを披露してくれたことが大きなポイント。セラクルカ、貴理、小町は「幼なじみ」としての地位をフル活用して、それぞれ素晴らしい活躍をしてくれました。余談ですが、本年度の最優秀幼なじみは鼻差でセラクルカということで。
 というわけで混戦だったんですが、落ち着いて考えて 2002 年で樹里先輩シナリオが「最も繰り返しプレイされた」事。これが決め手となりました。


主演男優部門
☆最優秀主演男優賞☆
ハクオロ(うたわれるもの)
○優秀作品賞○
狭川祐樹(Talk to Talk)
レクス(Sultan)

 ハクオロは、ある種エロゲ主人公の理想型だったんじゃないかと。嫌みなく登場女性キャラをハベラシ、さりげなくハーレム状態に持っていくところなんか最高です(笑)締めるところはキッチリ締めるし、イヤミの無い良い主人公でした。
 狭川くんもレクスくんも一部シナリオで非常にヘタレた辺りが多いに減点だったりしますが、二人とも平和主義者というかマッタリズムの人で、のんびりできたところが○。


助演女優部門
☆最優秀助演女優賞☆
クーヤ(うたわれるもの)
○優秀助演女優賞○
小夜ちゃん(家族計画 絆箱)

 助演女優の宝庫、うたわれるものから代表でクーヤ(笑)うたわれるものは、ホントいい人材の宝庫だから特にコメントは無しの方向で。小夜ちゃんは、基本的にはリメイク作品は入れない方向だったんだけど、まぁ声がついて一番評価があがったということで(笑)


助演男優部門
☆最優秀助演男優賞☆
荻谷(Talk to Talk)
○優秀助演男優賞○
ロッタ(Sultan)
インカラ(うたわれるもの)

 荻谷くんは、ごく普通の悪友役でありながら要所要所でしっかりと、主人公の行動を補正するあたりがナイス助演っぷりです。ロッタきゅんは最強の「弟」(でもロッタエンドもあるから、ある意味主演だよなあ(笑)インカラは、これまた数多くのうたわれるもの助演男優人を代表して(笑)


原画部門
☆最優秀原画賞☆
甘露樹(うたわれるもの)
○優秀原画賞○
カーネリアン(ヤミと帽子と本の旅人)

 原画は、この二人はやはりズバ抜けているかなと。その中で、ゲームのボリュームの差で甘露氏が最優秀。久しぶりのカーネリアンでしたが、その力は落ちていなかったと言うことで。


シナリオ部門
☆最優秀シナリオ賞☆
菅宗光(うたわれるもの)
○優秀原画賞○
秋津環/長野和泉(Talk to Talk)
NYAON(Sultan)
早狩武志(僕と、僕らの夏)

 菅氏はさすが実績があるだけあって、20時間近くだれることなく楽しめた。最近割と、とっかかりが悪いエロゲが多い中、序盤から世界に浸れる、先が気になるシナリオだったのが良かった。展開が王道だとしても、それを十二分に生かしきったかと。
 秋津氏と長野女史は、どっちが誰の担当かわからないから両方で(笑)えっと、NYAON 氏もそうだけどマッタリとした雰囲気を構築できる人は俺的にかなり好きです。早狩氏は、複数視点からしっかり物語を構築できてたから。意味のないと厄介ですが、意味がある、カチッとはまると面白いってのが複数視点ですから。


音楽部門
☆最優秀音楽賞☆
うたわれるもの(Leaf)
○優秀音楽賞○
該当無し

 音楽は、これぞ!って曲が浮かばなかったので最優秀は無し…と思っていたんだが、改めてうたわれるものの曲を聞くと良いので、優秀賞予定だったうたわれがめでたく最優秀に。うたわれるものは、全編にわたって場面場面にあった曲が流れており、雰囲気に非常にマッチしていたんだが、マッチしていた分、曲単体のイメージがうすれちゃったかなぁ。と思っていたんだけど、月光花とかは単体で聞いても十二分にいいし、アヴ・カムゥとかは今聞いても場面が思い浮かぶから。今考えると、問答無用、文句無しですな。最初といってることちゃうやん(笑)さすが、Leaf ってことで。


デモ部門
☆最優秀デモ賞☆
Wind(minori)
○優秀デモ賞○
魔女のお茶会(FrontWing)
部費げっちゅ!(WESTVISION)

 今回より新設、2002 年で良かったデモ。さすが対象作品がデモ見たことある全作品に広がるだけあって大激戦でした。その中で最優秀を勝ち取ったのは Wind。良い影響も悪い影響もあったみたいですが、販促には大きく貢献したみたいで。個人的には、アニメ部分が桁外れだけど、ゲーム部分との落差が気になったので迷ったんだけど、やはり目を見張るものがあるということで。
 魔女のお茶会は、アニメを使用してないゲーム CG とエフェクトだけのデモとしたら頭一つ抜け出た完成度かな。ただ、いかんせん元の絵柄がエロゲ向けじゃない(爆)部費げっちゅ!はネタ部門より、というより「エロゲ」デモとしてはコレが一番ゲームの説明にはなっていると思う。早口のノリがすき。
 今年はデモ買い(デモで購入決意)が無かったものの、全体的に目を見張るものが多かったような。厳密には一本、デモ買いがあったんだけどね、ま、それはデモが最後の一押しだったけどほぼ購入が確定してたから…ね。


まとめ

 というわけで、話題作が軒並み 2003 年に延期して小粒感が否めない 2002 年となったわけですが、なかなかどーして。こうゆう年は意外と自分のフィーリングにあったゲームがみつかったりするわけなんですが。そんな 2002 年を制したのは派手さはないが、抜群の安定感をみせた Leaf の うたわれるもの に。一点突破で飛び抜けたゲームがなかった分、丁寧な仕事振りが光りました。また、同様に地味さがウリの Clear も各賞を受賞。非常に俺のフィーリングと合ってることが見て取れるわけですが…人にはお勧めできません(爆)あと、Light が「Sacrifice」「僕夏」「Sultan」と立て続けに良い作品を出してきたのも印象的です。
 リメイク作品は受賞対象外としてきたのですが、2002 年もう一つの特徴だったのがリメイク作品の多さ。声付けただけ等の安易なリメイク等には批判も多くあると思いますが、過去の名作をもう一度やる機会を与えてくれるという点では非常に意味があると思います。声つくことで受ける印象もずいぶん違いますし。その数多いリメイク作品の中で最優秀を選ぶとしたら「プリマヴェール V」。痒いところに手が届く修正で、リメイクはこうあるべき!という感じでした。
 以上、2002 年にも見るべき点は多くあったということで。2002年ランキングでした。2003 年も良いエロゲに巡り会えますように。

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