僕と、僕らの夏 Ver.1.00

『僕たちは、本当の恋を、まだ、誰も知らない』
2002年2月1日、lightより発売 AVG



動機

 絵買い。濃い絵より、「僕と、僕らの夏」みたいなどっちかというと淡い色彩の方が好み。あとは割とぽっちゃり目の笛氏原画。

どんなゲーム?

 ダムに沈む村を舞台にした男女5人の青春空回り的恋愛模様。多視点から一つの恋愛劇を見られるAVG。

システムについて

 AVG部分は、オーソドックスな作り。未読スキップのみ、セーブ数10個と割と辛めの設定。なおかつキーボードオペレーションがCtrlによるスキップのみでEnter(またはスペース)による文字送りが出来ないのが難点。また、物語上での進行が強制進行になったあと文字速度が一定値にもどる(設定はそのままで)。故に一回別の速度を選び直さないと元に戻らないバグはちょっと困る。CG 音楽 回想モード完備なのでその辺は安心。

音声、音楽について

 音声は、ほぼフルボイス。エロゲには珍しく男も声有り。バスの運転手にすら声有り。…の割りに一部、有夏の声がでないのは仕様だろうか?声優さんのレベルに関しては特に問題なし。素朴感ありあり。しかし、旅館のおばさん@長崎みなみには驚いた。音楽は一部、やたら牧歌的なものがあり。全体的に良いのだが、一部場面とあってないような曲も。っていうか音楽目立ちすぎというか壮大すぎというか、音楽に気をとられては駄目でしょう(笑)テンポの差が激しすぎるのかな。

グラフックについて

 背景、CGは非常に田舎っぽくてステキ。ただ、立ち絵と一枚絵に微妙に違和感を感じるような。CG総数は54枚。結構、少な目。

シナリオについて

 基本的には恭生と貴理を中心にした恋愛模様に、有夏と冬子が絡んでくるという割と一般的な感じ。だけど、まぁ視点の違いにより純粋なものも割と生々しく見えるというか。その辺の扱いが非常にうまい。大ざっぱにいえば、ダムという変換点を迎えた時の少年少女達の成長ストーリーがうまく描けているというか。

全体について

 雰囲気がよくつかめていて、ありがちは話ながら多視点でみせることにより純粋さの裏の残酷さとかその辺りがしっかり表現されていて良い。普通の恋愛AVGにみせながら、全部のストーリーをみないと話が完結しないという。これ系にしては珍しいつくりか。基本的な話は変わらずいろんな視点でみると面白いなあと感じ。良作です。ただしシステム面に難あり。

 最近、シナリオは良いんだけどシステム面に難ありってゲームが割と目につくような…。


ここからは高度ネタバレ含みます

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